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導入事例
ユーザー企業対談

阪急阪神エクスプレス様 × サンフロンティア不動産様

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導入前の準備やルールづくりがCRMシステム導入の鍵

あらゆる企業において、取引先・顧客のデータはビジネス上で最も重要な情報であると言えます。多数の顧客データを効率的に整理・管理し、安全かつ迅速・柔軟に利用できるようにすることは、情報システム部門にとって大きな課題の1つです。そのために必要となるのが、「CRM(Customer RelationshipManagement)」システムです。

従来、CRMには“売上の向上”を実現することが求められてきました。しかし昨今、より積極的な顧客管理を行って、サービスや製品の品質を向上させようとする「顧客至上主義」を採る企業が増えています。そのためにCRMを活用するのです。
そこで、単に顧客データを保管するだけでなく、より積極的に活用したり、分析したりできる環境が求められています。また、個人情報保護対策がいっそう重視されるようになり、高い安全性も必要とされています。もちろん、運用管理の効率化も重要な要素です。

「Microsoft Dynamics CRM」は、全世界の多数の企業・ユーザーに利用されるCRMソリューションです。マイクロソフトの堅牢なインフラを用いたクラウドサービスとして提供されているため、中小企業から大企業まで幅広いニーズに対応することが可能です。Microsoft Office/Office 365との親和性の高さも特長で、OutlookやExcelと高度に連携し、さまざまな用途に活用できます。
ただしCRMは、ユーザーごとに保有している顧客情報の質や形式、規模、利用形態などが異なり、事前の導入方法や設計、社内への展開方法などを細かに策定しておく必要があります。

シーイーシーは、マイクロソフトのDynamics CRM認定ゴールドパートナーとして、長年培ってきた知見やノウハウを基に、さまざまなユーザーのCRMシステム構築に携わってきました。今回は、Dynamics CRMを導入した業種が異なる2社の対談を実現し、阪急阪神エクスプレスのグローバル統括本部情報戦略推進部 特任部長 今井 龍次氏と、サンフロンティア不動産 人事総務部 次長 及川 真樹氏に、DynamicsCRMをどのように導入したのか、どのように活用しているのかなど詳しい話を聞きました。

属人化している業務をシステム化して共有

自社のビジネスにおいて、顧客情報をどのように活用していますか?

今井 龍次氏

今井氏阪急阪神エクスプレスは、荷主から貨物を預かって、日本・米国・欧州・東アジア・ASEANの航空・海上ネットワークを活用して国際運送を手配する「貨物利用運送事業(フォワーダー)」を中核に、ロジスティクスや通関業務、国内輸送まで、国内で安定的なシェアを獲得してきました。現在は、経営戦略として営業利益の拡大のため、ワークスタイル変革を中心とした営業改革に取り組んでいます。
フォワーダーのビジネスでは、大口貨物はもちろん、小口の貨物であっても、それらを集約することによって、安定的な輸送費用を提供しています。
もちろん、顧客のビジネス環境やニーズに合わせて、他の業務を含めて的確な提案を行えなければ、顧客を獲得することはできません。

もともと私たちは、社風的に縦のつながりが強く、ベテランの営業スタッフが多いこともあって、担当者の経験や勘に依存した営業手法を採っていました。そのため属人化が進み、優秀なビジネスパーソンが異動したり退社したりすると、引き継ぎや教育などで手間取ることもよくありました。
CRMは、顧客情報だけではなく、このような属人的な情報やノウハウもデータ化して、情報共有を図りつつ情報分析を可能とするインフラとして導入しました。

及川氏サンフロンティア不動産は、都市部のビルオーナーや資産家・富裕層を中心に、不動産の売買や賃貸の仲介、メンテナンス、リニューアルやビル管理まで、ビルの経営や資産の活用に関するさまざまなサービスを提供しています。また、そのサービスノウハウを活かした「不動産再生」事業を中核事業として展開しています。例えば、オフィスビルをカプセルホテルにリノベーションするといった“再生”が考えられます。もちろん、時代や地域などの周辺環境の変化に合わせたリノベーションが必要です。それらの細かな情報を的確に捉えて、時々に最適なビル運営を行うには、高度な知識やノウハウが必要です。私たちは、15年来の豊富な経験を生かして、さまざまな価値を提供しています。

私たちが情報として重視しているのは、物件よりも「人」です。資産や経営課題、志向、相続など、顧客の背景にある情報を理解することで、本当に求められているサービスを提供できると考えています。
もともと当社は社員同士の横のつながりが強く、互いに情報共有を行う社風が根付いています。ところが、そうした情報を蓄積する場がありませんでした。私たちも、担当者の異動や退社に対応するのが困難だったため、CRMによって解決を試みたのです。

“人”を重視するサンフロンティア不動産
営業を見える化する阪急阪神エクスプレス

サンフロンティア不動産が管理している顧客情報は、やはり細かい項目が並んでいるのでしょうか?

及川 真樹氏

及川氏 項目は多いですね。最初に顧客カルテとしてアンケートに記入していただくのですが、30項目程度はあると思います。もちろん当初はすべての設問に答えていただける訳ではないので、徐々に埋めていくことになります。

今井氏 ビルオーナーの個人的な情報は、なかなか聞けないのではないですか?

及川氏 営業担当者が顧客と長く付き合っていく中で、地道に情報を蓄積しています。信頼していただくことが最も重要なことですので、そのための関係づくりにはとても気を配っています。
もちろんセンシティブな情報ばかりですので、従来は担当者しか見ることができないように、カギのかかる箱に“顧客カルテ”という形で保管していました。現在でも、CRM上では個々にアクセス制限を設けて、厳重に管理しています。

阪急阪神エクスプレスでは、CRMを営業活動の管理に活用しているそうですね。

今井氏 顧客情報だけでなく、営業担当者の日々の業務活動まで記入させています。それらは上長のみならず、社長でも閲覧でき、コメントを残せるようにしています。つまり、「営業の見える化」です。なぜ顧客を訪問するのか、どのような営業活動を行ったのか、業務の「目的」をベースに記入するので、課題や成功例をしっかりと把握することができるのです。
また、営業担当者は、自分が行ったことを中心に報告しますが、肝心の顧客の反応を報告することは稀でした。
そこで、そういったことも報告せざるを得ないように “型”にはめたことで、顧客との会話の中から満足度を探り出そうとするようになってきました。

及川氏 私たちは、顧客の情報をきっちり細かに記入するようにさせているので、入力がなかなか進まないというのが課題ですね。

上長に見られていることを意識させることは大事かもしれません。優秀な担当者の書き方を公開するのも一つの手です。

今井氏 マネジャーが1つ1つの文章を読んでいられないと考えて、チェックボックスの記入を中心としています。社長にコメントさせているのは、緊張感とモチベーションアップのためですね。

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経営層の理解とリーダーの牽引力が重要

CRMの導入にあたって、苦労した点や工夫した点などはありますか?

ユーザー企業様対談

今井氏 半年くらいの企画フェーズで、活動報告に何を記入させるべきかという点を十分に議論し、社内の関係部門とコンセンサスを取りました。
若い営業担当者は、顧客から、どのような情報を、そのように聞き出せばいいのか分かっていないことが往々にしてあります。しかし、ベテランは、必要な情報を上手く聞き出してきます。そうしたナレッジをシステムに反映するのには苦労しましたね。

及川氏 各事業部門が持っている業務が大きく異なるので、CRMに対する考え方や気持ちが大きく異なるのが問題でした。正直なところ、この温度差は今でも課題の1つです。
各部門からメインの担当者を選出し、プロジェクトを推進しました。先ほど述べたように、私たちは横のつながりが強いため、協力体制を敷きやすいという点では助かりましたね。

特にCRMは多くの部門に関わるシステムですから、強力なリーダーの下に各部門の代表者による組織を構築し、プロジェクトを牽引することは重要ですね。そのためには経営層の理解も必要です。

今井氏 阪急阪神エクスプレスの経営陣は、今回のプロジェクトにかなり力を入れており、私を含めて4人の担当者による専任の組織を作りました。

及川氏 当社も、副社長が牽引役となって、プロジェクトを推進しました。やらされているという感覚があるようだと、失敗する可能性は高いと思います。

今井氏 CRMは、売上の向上はもちろんですが、「がんばる方法を変えよう」という考え方で推進するのがよいと感じます。とは言え、ユーザーが困っていること、求めていることは何か。これまで口頭やメールで報告していた内容をシステム化することには、抵抗を覚える社員も少なくありませんでした。CRMでの報告と口頭での報告が二重化することを避けるため、マネジャーにCRMのみを使うように説得することに時間を使いました。

及川氏 当社は若いスタッフも多く、システム化については、それほど抵抗感はなかったようですね。

Dynamics CRMは安価で
拡張性に優れたクラウドサービス

さまざまなCRMソリューションやサービスがあるなかで、なぜ「Microsoft Dynamics CRM」を選んだのでしょうか?

今井氏 やはり第一にコストです。他のCRMサービスと比較しても、利用料が安価なことは重要なポイントです。また、Outlookのメールやスケジュール、SharePointと連携できることもメリットでした。

及川氏 当社も、まず料金に目が行きましたね。クラウドサービスを選択したのは、将来的なリソースや機能の拡張性を考えてのことです。当社のビジネスも社風も、環境の変化へ柔軟に対応することが重要です。オンプレミスシステムでは対応しきれないと考えて、柔軟なクラウドサービスを選択したのです。
Office 365との連携については、実はDynamics CRMの導入後に初めて知りました。あとから便利だと気づき、Office 365への移行も実施しています。

ユーザーの要望を汲んでくれるシーイーシー

Dynamics CRMの導入パートナーとして、シーイーシーを選んだのはなぜでしょうか?

ユーザー企業様対談

及川氏 当社はもともと他社のCRM製品を利用していましたが、パフォーマンスが悪く、使いづらいことに悩んでいました。新しいCRMの導入に際しては、100社ほどを対象に、半年かけて選定作業を行いました。
最終的には6社ほどが残り、各社から細かな話を聞くことになりました。その中で、最も私たちのやりたいことを把握し、しっかりと汲んでくれたのがシーイーシーだったのです。
その後の導入や運用においても、しっかりと細かなところまでサポートしてくれたので、間違いではなかったと自負しています。将来的にも、長く取り引きしたいベンダーだと感じました。

今井氏 当社は、早い段階でDynamics CRMを導入しようと考え、取り扱っている5社から選定を行いました。最終的には2社が残ったのですが、気になったのはもう一方のベンダーが「言われたことにハイハイと応じるだけ」のように感じたことです。
シーイーシーは、単なる“御用聞き”ではなく、私たちのやり方をしっかりと把握して、よりよい方法やアイデアを提案してくれるベンダーだと感じました。ユーザーのためになることを率先してやってくれるところがいいですね。今後も、マイクロソフトとの関係を強化して、私たちの要望がサービスに反映されるように活動されることを期待しています。

最後に、CRMの活用についての展望をお聞かせいただけますか?

及川氏 私たちは、まだ情報分析をベースとした営業支援までは提供できていません。いずれは、そうした高度なシステムとして活用していきたいと考えています。営業担当者が言わなくても、かゆいところに手が届くようなサービスを実現したいですね。

今井氏 情報分析のベースは出来ましたが、フィードバックを行うのは、これからというところでしょうか。社員がより自然に使えるようなシステムを作りあげたいと思います。海外拠点への展開も図り、輸出・輸入を行ううえでの情報共有を強化して、さらに効果的なビジネスを実践したいと考えています。

阪急阪神エクスプレス様とサンフロンティア不動産様は、業種もCRMの活用方法も大きく異なります。しかし共通しているのは、事前の準備を怠らなかったという点です。及川氏も今井氏も、十分な期間を設けて、CRMの必要性・優位性について検討しました。CRMの導入に失敗するケースも少なくない中で、両社が大きな成功を収められたのは、CRMを活用するための妥協のない土台作りだったとも言えるでしょう。

  阪急阪神エクスプレス サンフロンティア不動産
推進体 経営陣の肝いりで、4人の専任担当を組織 副社長が牽引役
事前準備 入力項目を社内の関係部門と議論 各事業部門からメインの担当者を選出
入力項目 顧客情報だけでなく、属人的な情報やノウハウ、日々の業務報告 顧客(資産家、富裕層)の個人情報
選定方法 Dynamics CRMに絞って5社から選定 100社から半年かけて選定
選定理由 コストが安価 Office 365との連携 コストが安価(拡張性を考え、クラウドを選択)

※製品名・企業名・役職名など、記載の情報は取材時のもので、閲覧時には変更されている可能性があります。

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